なんこうふじん
楠公夫人

冒頭文

自分の思う絵を、私は機運がくると、たちまちそれの鬼となって、火の如き熱情を注いで——これまでにずいぶんと数多くの制作をして来た。 展覧会に発表したそれら大作の数だけでも一百枚にのぼるであろう。 描きたい絵はまだまだ沢山ある。展覧会に出品する画材は、前もって発表するということは興を削ぐので、それだけは私の胸中にそれを制作する機運の来るまで発表は出来ないけれど、いまここで語っていい

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 青眉抄・青眉抄拾遺
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日