『しょうしょ』のこうとうひひょう とくにぎょうしゅんうについて
『尚書』の高等批評 特に堯舜禹に就いて

冒頭文

東洋協會講演會に於いて、堯舜禹の實在的人物に非ざるべき卑見を述べてより已に三年、しかもこの大膽なる臆説は多くの儒家よりは一笑に附せられしが、林泰輔氏の篤學眞摯なる、前に『東洋哲學』に 余は近時林氏の注意によりて之を知れるなり 、近く『東亞研究』に、高説を披瀝して教示せらるゝ所ありき。 茲に今林氏の好意に酬い、且その後の研究を述べて、儒家諸賢の批判を請はんと欲す。而して林氏の説に序を逐うて答ふ

文字遣い

新字新仮名

初出

「東亞研究 第二卷第四號」1912(明治45)年4月

底本

  • 白鳥庫吉全集 第八卷 アジア史論 上
  • 岩波書店
  • 1970(昭和45)年10月26日