わかきひのおもいで
若き日の思い出

冒頭文

一、雨の深山で採集 私は自分の学問に対してあまり苦労したことはなかった。今日まで何十年にわたる長い年月の間実に愉快に学問を続けてきて、ついに今日に及んだのであるが、平素その学問を特に勉強したようにも感じていないのは不思議である。 これは結局生まれつき植物が好きであったため、その学問があえて私に苦痛を与えなかったのであろう。 私は少年時代からたえず山野に出て植物を採集した。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻34 蒐集
  • 作品社
  • 1993(平成5)年12月25日