ひのたまをみたこと
火の玉を見たこと

冒頭文

時は、明治十五、六年頃、私はまだ二十一、二才頃のときであったろうと思っているが、その時分にときどき、高知(土佐)から七里ほどの夜道を踏んで西方の郷里、佐川町へ帰ったことがあった。 かく夜中に歩いて帰ることは当時すこぶる興味を覚えていたので、ときどきこれを実行した。すなわちある時はひとり、またある時は二人、三人といっしょであった。 ある夏に、例のとおりひとりで高知から佐川に向かっ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆73 火
  • 作品社
  • 1988(昭和63)年11月25日