かぜにひるがえるごとうのみ
風に飜へる梧桐の実

冒頭文

秋風起つて白雲飛ぶと云ふ時節ともなると、アヲギリ(幹、枝が緑色ながら云ふ)即ち梧桐の種子を着けた其舟状の殻片が、其母枝を離れ翩々として風に乗じ遠近の地に墜ちる、是れは何も珍らしい事ではないが、其れが眼前に落ち散らばつてゐる処を見ると、其殻片が頗る大きな丈けに何となく今更ながら其認識を新たにすることを禁じ得ない 私の庭に一本のアヲギリがあつてアヲニョロリの名の如くニョロリと緑の直幹を立て、

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻14 園芸
  • 作品社
  • 1992(平成4)年4月25日