あきぞらはれて
秋空晴れて

冒頭文

一 「まったくでござんす、親方。御覧の通りの痩(や)せっぽちじゃござんすが、これで案外胆(きも)っ玉(たま)はしっかりしてますんで。今まで乗ってました船でも、こいつぐらい上手にマストへのぼる奴はなかったそうでござんす。まるで猿みたいな奴だなんていわれてたくらいで——高いところの仕事にはもって来いの餓鬼(がき)です。どうでしょう、ひとつあっしと一しょにリベット(鋲打(びょううち))の方へでも、ため

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 少年小説大系 第10巻 戦時下少年小説集
  • 三一書房
  • 1990(平成2)年3月31日