どうりのまえで
道理の前で

冒頭文

道理の前でひとりの門番が立っている。 その門番の方へ、へき地からひとりの男がやってきて、道理の中へ入りたいと言う。 しかし門番は言う。 今は入っていいと言えない、と。 よく考えたのち、その男は尋ねる。 つまり、あとになれば入ってもかまわないのか、と。 「かもしれん。」 門番が言う。 「だが今はだめだ。」 道理への門はいつも開

文字遣い

新字新仮名

初出

底本