いっぽんの木と、いちわの小鳥とはたいへんなかよしでした。小鳥はいちんちその木の枝(えだ)で歌をうたい、木はいちんちじゅう小鳥の歌をきいていました。 けれど寒い冬がちかづいてきたので、小鳥は木からわかれてゆかねばなりませんでした。 「さよなら。また来年きて、歌をきかせてください。」 と木はいいました。 「え。それまで待っててね。」 と、小鳥はいって、南の方へとんでゆきました。