にひきのかえる
二ひきの蛙

冒頭文

緑の蛙(かえる)と黄色の蛙(かえる)が、はたけのまんなかでばったりゆきあいました。 「やあ、きみは黄色だね。きたない色だ。」 と緑の蛙(かえる)がいいました。 「きみは緑だね。きみはじぶんを美しいと思っているのかね。」 と黄色の蛙(かえる)がいいました。 こんなふうに話しあっていると、よいことは起(お)こりません。二ひきの蛙(かえる)はとうとうけんかをはじめました。 緑

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ごんぎつね 新美南吉童話作品集1
  • てのり文庫、大日本図書
  • 1988(昭和63)年7月8日