かたりべとじょじしと
語部と叙事詩と

冒頭文

私は、語部の職掌及び、其伝承した叙事詩の存在した事を、十数年以来主張して来た。語部が、対話として散文的に古い説話を記憶して、話し聞かした事だけは、反対する人もなかつたが、その伝承の対象が叙事詩の形を持つて居り、其を暗誦したり、聞かしたりするのは、ある節まはしで謡うたものだといふ点には、反対する人が、陰に陽にかなりあつた。私の考へはじめは、「かたる」といふ語の用語例から出発して、万葉集その他のかたる

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 折口信夫全集 4
  • 中央公論社
  • 1995(平成7)年5月10日