かつたろう
勝太郎

冒頭文

私はニホン音楽をあまり好まない。それでラジオは演芸放送の時間になると必ず切っておくことにしている。それが何時だったか間違って掛けっぱなしになっていた事がある。偶然その時唄ったのが勝太郎である。この実に偶然な機会で私は勝太郎の名と、その綺麗な声とを聞いた。その翌日早速出来心を起して、私は勝太郎のレコードを二、三枚買って来たものである。 何枚もない私の家のニホン音楽のレコードの事だから、私は

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 音楽と生活 兼常清佐随筆集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1992(平成4)年9月16日