ハナとタマシイ
ハナとタマシヒ

冒頭文

ハナ いつごろだつたのか、誰であつたか、多分、渡辺千代子さんだつたと思ふが、私をそつと手招きして、校庭のすみへつれて行つた。そして小さな声で、 「あのね、ハナッて、何んだか知つてる?」 「ハナ? ハナッて……この鼻?」と私は鼻を指先で叩いてみせた。 「うん、出てくる鼻汁(はな)よ」 「うゝうん、知らない」と首をふると、 「あのね、ハナはノーミソの腐つたものなんですつてさ……」千

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • みの 美しいものになら
  • 四季社
  • 1954(昭和29)年3月30日