カイダイ
カイダイ

冒頭文

四年の三学期であつた。 国語の教生が来て、平家物語の重盛諫言のところを教へることになつた。 教生といふのは今年卒業する大学部の学生の中から、一番か二番の人で、卒業後の練習のため女学校へ教へに来る人のことである。 その時の国語の教生は、私たちが一年の時の五年生で、キツネさんと呼ばれてゐた市村先生であつた。 キツネだと云ふので、あてられては大変と皆よく予習して行

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • みの 美しいものになら
  • 四季社
  • 1954(昭和29)年3月30日