しょうせつ
小説

冒頭文

私つて、まあ、一体どういふんだらう。 本がよみたいけど、何か本をかして下さらない? ツて言つたので、お母様が明治大正文学全集の森鴎外をかして下さつた。 文章がきれいだから、ワケなんか考へずに、大ザツパによんでごらんなさいとおつしやる。 仰せかしこみて棒ヨミにずら〳〵とやつてみた。だけどワケがわかんないのだから、一寸も面白うない。ア——小説ツて何てつまんないもんだろ。

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • みの 美しいものになら
  • 四季社
  • 1954(昭和29)年3月30日