きしゃ
汽車

冒頭文

小学校を卒業した春休み、おばあ様とお母様と節ちやんと洋ちやんと、湯ヶ原の門川温泉へ行つたことがある。三、四日を面白く暮して、いよいよ帰る日だつた。 随分混んでるので、——夕方六時ごろかしら、——もう、うす暗いころ、熱海発の汽車で帰ることにして、いつもの様に早めに驛へ行つた。蜜柑やら、キビ餅やらのおみやげがあつて荷物は小さいのが大分あつた様に思ふ。番頭さんが驛まで荷物をもつて来てくれた。し

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • みの 美しいものになら
  • 四季社
  • 1954(昭和29)年3月30日