いし

冒頭文

私の家に門から玄関まで、ずつと石が敷いてある。 私は、始めは土をふんで歩いた。その頃からこの石とはお馴染である。何度この石につまづいて、口惜しい思ひをしただらう。 「こんな邪魔な石! どけちやえばいゝのに……」と、けとばして見たことも何度かあつた。 この憎まれたり、けとばされたりした、沢山の石の中に、私の好きな石が二つある。一つは玄関近くにあつて、少し青味がかつた……丁度、青

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • みの 美しいものになら
  • 四季社
  • 1954(昭和29)年3月30日