『わがはいはねこである』じょうへんじじょ
『吾輩は猫である』上篇自序

冒頭文

「吾輩は猫である」は雑誌ホトトギスに連載した続き物である。固(もと)より纏(まとま)った話の筋を読ませる普通の小説ではないから、どこで切って一冊としても興味の上に於(おい)て左(さ)したる影響のあろう筈(はず)がない。然(しか)し自分の考ではもう少し書いた上でと思って居たが、書肆(しょし)が頻(しき)りに催促をするのと、多忙で意の如(ごと)く稿を続(つ)ぐ余暇がないので、差し当り是丈(これだけ)を

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 夏目漱石全集第十巻
  • 筑摩書房
  • 1966(昭和41)年8月30日