しょうはんこばなししゅう
沼畔小話集

冒頭文

伊田見男爵 伊田見男爵と名乗る優男(やさおとこ)が、村の一小学教師をたずねて、この牛久沼畔へ出現ましました。 男爵令嗣は「男爵」と単純に呼ばれることをなぜか非常によろこばれたということであるから、私もこれから、単にそう呼ぶことにしよう。で、閣下、いや、男爵は霞ヶ浦の一孤島——浮島にしばらく滞在されて、そこの村役場の書記某というものの紹介状をふところに、わが村の教師のところへやって来たの

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 犬田卯短編集二
  • 筑波書林
  • 1982(昭和57)年2月15日