はなでますをつったはなし(じつじ)
鼻で鱒を釣つた話(実事)

冒頭文

みなさん、魚はどういふものを食べたがるか、御承知ですか?。蚯蚓(みみず)に団子………。さ様(やう)、それから生(なま)の肉類。エー、それに同じ魚で自分より少(ち)さいのを食べるものが多いといふことを知つておいでのお児(こ)も有(あり)ませう。ホラ鯨が鰯(いわし)をおつかけるといふこともお聞(きき)なすつたでせう。それから鮫(さめ)などの様な大きい魚になり升と、随分人間を呑(の)み兼ねないのですよ。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「女学雑誌 通巻三四六号」女学雑誌社、1893(明治26)年6月10日

底本

  • 日本児童文学大系 第二巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日