ディカーニカきんごうやわ こうへん 04 イワン・フョードロヴィッチ・シュポーニカとそのおば
ディカーニカ近郷夜話 後篇 04 イワン・フョードロヸッチ・シュポーニカとその叔母

冒頭文

これは、ガデャーチからよくやつて来たステパン・イワーノヸッチ・クーロチカに聞いた物語(はなし)ぢやが、これには一つの故事来歴がついてゐる。ところで、元来このわしの記憶といふやつが、何ともはやお話にならぬ代物で、聞いたも聞かぬもとんとひとつでな。いはば、まるで篩(ふるひ)の中へ水をつぎこんだのと変りがないのぢや。我れながら、それを百も承知なので、わざわざ彼にその物語(はなし)を帳面へ書きつけておいて

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • ディカーニカ近郷夜話 後篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1937(昭和12)年9月15日