ディカーニカきんごうやわ こうへん 03 おそろしきふくしゅう |
| ディカーニカ近郷夜話 後篇 03 怖ろしき復讐 |
冒頭文
一 キエフの街はづれで、わいわいと騒々しい物音が聞えてゐる。それは哥薩克の大尉、ゴロベーツィが、息子の婚礼の祝宴を張つてゐるのであつた。大尉の邸へは夥しい来客が詰めかけてゐた。昔は何かといへば鱈腹つめこんだものだ。鱈腹つめこむといふよりは、うんと飲んだものだ。うんと飲むといふよりは、羽目を外してドンチャン騒ぎをやつたものだ。ザポロージェ人のミキートカも栗毛の駒に跨がつて、七日七夜のあひだ、波蘭王麾
文字遣い
新字旧仮名
初出
底本
- ディカーニカ近郷夜話 後篇
- 岩波文庫、岩波書店
- 1937(昭和12)年9月15日