ディカーニカきんごうやわ こうへん 01 はしがき
ディカーニカ近郷夜話 後篇 01 はしがき

冒頭文

さていよいよ二冊目の本を御覧に入れる、いや二冊目といふよりは寧ろ最後の本といつた方がよい! ありやうは、これも公(おほやけ)にするのは全く不本意なことなんで。実際、もういい加減に身の程を知つてもいい頃ぢや。実を言へば、そろそろ村でも、わしのことを哂笑(わら)ひだしをつたのぢや。その言ひ草が、⦅ほいほい、老爺(ぢい)さんもすつかり耄(ぼ)けてしまつたよ。あの高齢(とし)をからげて、こんな子供だましみ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • ディカーニカ近郷夜話 後篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1937(昭和12)年9月15日