ディカーニカきんごうやわ ぜんぺん 02 はしがき
ディカーニカ近郷夜話 前篇 02 はしがき

冒頭文

『まつたくこれは奇態な本だ、⦅ディカーニカ近郷夜話⦆か? いつたい⦅夜話⦆とはなんだらう? 何処かの蜜蜂飼かなんかがこんなものを世間へ発行(だ)しをつて! お蔭さまなことだよ! 羽根ペンを拵らへるのにどれだけ鵞鳥を裸かにし、紙を漉くのにどれだけ襤褸くづをつかつたら堪能ができるのだらう! 貴賤の別なく猫や杓子までが見やう見真似で、やたら無性に墨汁へ指を突つこんでも突つこんでも、まだ足りないのだ! あ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • ディカーニカ近郷夜話 前篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1937(昭和12)年7月30日