とうようしじょうよりみたるめいじじだいのはってん
東洋史上より観たる明治時代の発展

冒頭文

一 歳月流るるが如く、明治天皇の後登遐後、早一年を經た。去る者は日に疎しといふが、千古の大英主たる明治天皇の御鴻徳のみは、深く我が國民の腦裡に印して、決して忘るることが出來ぬのみか、却つて時を經る儘に、愈〻景仰の念を増すばかりである。私は茲に明治天皇の御一週年祭に際し、東洋史上より觀たる明治時代の發展を述べて、聊かその御鴻徳の一端を偲びたいと思ふ。 一體わが日本國は神武天皇御即位以

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「太陽 第十九巻第一一号」1913(大正2)年8月

底本

  • 桑原隲藏全集 第一卷 東洋史説苑
  • 岩波書店
  • 1968(昭和43)年2月13日