しっとするおっとのしゅき
嫉妬する夫の手記

冒頭文

○ 四月二日、Oがうちへ泊りに来た。 はじめに妻は、客が居ると手足を縛られるものだから、その滞在を荷厄介にしてゐた。また女中を雇はないかと或る時妻に云つたら、妻は出費の嵩むのを恐れて、そんな贅沢は出来ません、それにお客様もやがてゐなくなるのでせうから、と云つた。 ところがOは引続き泊まつてゐる。 妻はOのことで時々私に不平を云つたが、どうにかその滞在にも慣れたば

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻77 嫉妬
  • 作品社
  • 1997(平成9)年7月25日