かきのみ
柿の実

冒頭文

隣家には子供が七人もあつた。越して来た当座は、私のうちの裏庭へ、枯れた草酸漿が何時も一ツ二ツ落ちてゐて、檜の垣根の間から、その隣家の子供達が、各々くちの中で酸漿をぎゆうぎゆう鳴らしながら遊びに来た。 風のよく吹く秋で、雲脚が早くて毎日よく落葉がお互ひの庭に溜つていつた。 「おばさまおちごとですか?」 下から二番目の淵子ちやんと云ふ西洋人形のやうな子供が、私のうちの台所の窓へぶ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻84 女心
  • 作品社
  • 1998(平成10)年2月25日