ひゃくしょうマレイ
百姓マレイ

冒頭文

そのとき、わたしは、まだやっと九つでした……いやそれよりも、わたしが二十九の年のことから話を始めたほうがいいかもしれません。 それは、キリスト復活祭(ふっかつさい)の二日めのことです。もう陽気(ようき)も暖(あたた)かで、空はまっさおに晴(は)れわたり、太陽(たいよう)は高いところから、ぽかぽかと暖かな光りをきらめかせていましたが、わたしの心は、まっ暗(くら)でした。わたしは牢屋(ろうや

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界少年少女文学全集 19 ロシア編2
  • 東京創元社
  • 1954(昭和29)年9月25日