ばくまついしんかいこだん 77 にしまちじだいのでしのこと
幕末維新懐古談 77 西町時代の弟子のこと

冒頭文

その当時、私の友達で京橋桶町(おけちょう)に萩原吉兵衛という人がありました。家職は道具商ですが、その頃は横浜貿易の盛んになった時ですから、「焼しめ」という浜行きの一種の焼き物をこしらえて商売としていました(これは綺麗(きれい)な彩色画を焼き附けた日用品の陶磁器です)。この人には子供がないので、伊豆(いず)の熱海(あたみ)温泉場の挽物師(ひきものし)で山本由兵衛という人の次男の国吉というのを養子にし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日