ばくまついしんかいこだん 76 もんじんをおいたことについて
幕末維新懐古談 76 門人を置いたことについて

冒頭文

今日(こんにち)までの話にはまだ門人の事について話が及んでおりませんから、今日はそれを話しましょう。実は、私が弟子を置いたということは偶然のことではないのです。これには少し理由のあることで……といって何もむずかしいことでも何んでもありませんが、……前にも度々話した通り、私が弟子を置き初めた時分……ちょうど西町時代の初期頃は木彫りが非常に頽(すた)れ、ひとえに象牙ばかりが流行(はや)った時代。木彫り

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日