ばくまついしんかいこだん 73 とちのきでろうえんをほったはなし
幕末維新懐古談 73 栃の木で老猿を彫ったはなし

冒頭文

総領娘を亡くしたことはいかにも残念であったが、くよくよしている場合でもなく、一方には学校という勤めがあるので取りまぎれていました。 すこし話が前後へ転じますが、その年の春、農商務省で米国シカゴ博覧会に出品のことについて各技術家に製作を依嘱していました。私にも木彫(もくちょう)としての製作を一つ頼むということであった。 この出品については、政府が奨励をしました。しかし政府出品では

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日