すみだのはる
隅田の春

冒頭文

第一囘 三月二十日、今日(けふ)は郡司大尉(ぐんじたいゐ)が短艇遠征(たんていゑんせい)の行(かう)を送るに、兼(か)ねて此壮図(このさうと)に随行(ずゐかう)して其景況(そのけいきやう)並(なら)びに千島(ちしま)の模様(もやう)を委(くは)しく探(さぐ)りて、世間(せけん)に報道(はうだう)せんとて自(みづか)ら進みて、雪浪萬重(せつらうばんちよう)の北洋(ほくやう)を職務(しよくむ)の為(

文字遣い

新字旧仮名

初出

「東京朝日新聞」1893(明治26)年3~4月

底本

  • 明治の文学 第13巻 饗庭篁村
  • 筑摩書房
  • 2003(平成15)年4月25日