しノート
詩ノート

冒頭文

七四四  病院 一九二六、一一、四、 途中の空気はつめたく明るい水でした 熱があると魚のやうに活溌で そして大へん新鮮ですな 終りの一つのカクタスがまばゆく燃えて居りました 市街も橋もじつに光って明瞭で 逢ふ人はみなアイスランドへ移住した 蜂雀といふ風の衣裳をつけて居りました あんな正確な輪廓は顕微鏡分析(ミクロスコープアナリーゼ)の晶形にも 恐らくなからうかと思ふ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 宮沢賢治集全集2
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1986(昭和61)年4月24日