しいたけとゆうべん
椎茸と雄弁

冒頭文

舞台は全体を通じ黒無地の幕を背景とし、人物の動きを規定する最小限の小道具を暗示的に配置する。 各場面の転換は暗転式とし、装置にはなんらの変更を加へず、時間の無意味な断絶を避ける。 ファンタスチックな伴奏音楽を使つてもよい。 人物の扮装は、できるだけ様式化したものでありたい。 一ノ一 昭和農産工業社の社長室。 アカハラ、考へ込みながら登場。室内をぶらぶら歩きまはる。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「世界 第五十一号」岩波書店、1950(昭和25)年3月1日

底本

  • 岸田國士全集7
  • 岩波書店
  • 1992(平成3)年2月7日