われらのいちだんとかれ
我等の一団と彼

冒頭文

一 人が大勢集つてゐると、おのづから其の間に色分けが出來て來る——所謂黨派といふものが生れる。これは何も珍らしいことではないが、私の此間までゐたT——新聞の社會記者の中にもそれがあつた。初めから主義とか、意見とかを立てゝ其の下に集つたといふでもなく、又誰もそんなものを立てようとする者もなかつたが、ただ何時からとなく五、六人の不平連がお互ひに近づいて、不思議に氣が合つて、そして、一種の空氣を作

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 石川啄木作品集 第三巻
  • 昭和出版社
  • 1970(昭和45)年11月20日