かみさまのふとん
神様の布団

冒頭文

一 むかし、鳥取(とっとり)のある町に、新しく小さな一軒(けん)の宿屋(やどや)が出来ました。この宿屋の主人は、貧乏(びんぼう)だったので、いろいろの道具類(どうぐるい)は、みんな古道具屋から買い入れたのでしたが、きれい好(ず)きな主人は、何でもきちんと片(かた)づけ、ぴかぴかと磨(みが)いて、小ぎれいにさっぱりとしておきました。 この宿屋を開いた最初(さいしょ)のお客は、一人

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」赤い鳥社、1925(大正14)年4月

底本

  • あたまでっかち――下村千秋童話選集――
  • 茨城県稲敷郡阿見町教育委員会
  • 1997(平成9)年1月31日