みずがしやのようきち
水菓子屋の要吉

冒頭文

一 要吉(ようきち)は、東京の山(やま)の手(て)にある、ある盛(さか)り場(ば)の水菓子屋(みずがしや)の小僧(こぞう)さんです。要吉は、半年(はんねん)ばかり前にいなかからでてきたのです。 要吉の仕事(しごと)の第一は、毎朝(まいあさ)、まっさきに起(お)きて、表(おもて)の重たい雨戸(あまど)をくりあけると、年上の番頭(ばんとう)さんを手伝(てつだ)って、店さきへもちだしたえ

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」赤い鳥社、1928(昭和3)年7月号

底本

  • 赤い鳥代表作集 2
  • 小峰書店
  • 1958(昭和33)年11月15日