みたしゃかいかがくけんきゅうかい
三田社会科学研究会

冒頭文

成立以来十名前後を上下していたわが研究会も、五月二十四日の公開講演会、その後の講義開始等によって一躍六十余名を擁するにいたった。もし数の増加が同時に質の充実を意味するものであるならば、われわれは会としての強味を誇る何物かを増したといい得るかも知れない。しかしながら多くの場合に然るごとくわが研究会の場合においても、数の増加によって、一時的過渡的の現象ではあるとしても、全体としての会員意識の薄弱——著

文字遣い

新字新仮名

初出

「学生連合会 会報」1924(大正13)年6月25日

底本

  • 野呂栄太郎全集 下
  • 新日本出版社
  • 1994(平成6)年12月5日