楢夫(ならお)は夕方、裏の大きな栗(くり)の木の下に行きました。その幹の、丁度楢夫の目位高い所に、白いきのこが三つできていました。まん中のは大きく、両がわの二つはずっと小さく、そして少し低いのでした。 楢夫は、じっとそれを眺(なが)めて、ひとりごとを言いました。 「ははあ、これがさるのこしかけだ。けれどもこいつへ腰(こし)をかけるようなやつなら、すいぶん小さな猿(さる)だ。そして、