あいこくひゃくにんいっしゅひょうしゃく
愛国百人一首評釈

冒頭文

大宮の内まで聞ゆ網引(あびき)すと網子(あご)ととのふる海人(あま)の呼び聲 長奧麻呂 この歌は長忌寸奧麻呂(ながのいみきおきまろ)(傳記未詳)が文武天皇三年正月、難波宮に行幸あそばした時に供奉して、詔を奉じて詠んだものである。(大體さういふ學説になつてゐる)。 一首の意味は、魚の澤山にとれた網を今引かうとして、漁師が網を引く者ども(網子)を大勢集めて準備指導するその聲が、離宮の御

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「東京日日新聞」1942(昭和17)年11月22日、25日、27日、12月1日、4日、6日、10日、11日、12日夕刊

底本

  • 齋藤茂吉全集 第十四卷
  • 岩波書店
  • 1975(昭和50)年7月18日