あいこくひゃくにんいっしゅにかんれんして
愛国百人一首に関連して

冒頭文

○ 選定の結果、數萬といふ資料の歌がただ百首になるのであるから、實に澤山の推薦歌が選に漏れたことになり、殘念至極であるけれども、これは大方君子の海容をねがはねばならない。 選についての感想を問はれたが、自分としては特に申すことはない。ただその一、二を強ひて申すなら、萬葉集で、遣唐使隨行員の一人の母の作、『旅びとのやどりせむ野に霜ふらば吾が子はぐくめ天の鶴むら』の選ばれたのはたいへん

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「東京日日新聞」1942(昭和17)年11月21日、「東京朝日新聞」1942(昭和17)年11月21日

底本

  • 齋藤茂吉全集 第十四卷
  • 岩波書店
  • 1975(昭和50)年7月18日