せたいきゅうぎょう
世帯休業

冒頭文

人物 夫 渋谷八十一 妻 詩人 鳥羽 妻の母 君い女 かも子 夫の友人 茶木 八百や 第一場 舞台は、すべて戸締りをした家の内部。正面やゝ高きところに鉄格子をはめたスリ硝子(ガラス)の小窓。外の光がその小窓から射し込んで、茶の間の一部をかすかに浮き出させてゐる。 表で戸をたゝく音。 声  留守ですか、僕です。おい、僕ですよ、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「朝日 第四巻第一号」1932(昭和7)年1月1日

底本

  • 岸田國士全集5
  • 岩波書店
  • 1991(平成3)年1月9日