かお |
| 顔 |
冒頭文
男女菅沼るい京野精一土屋園子ある海浜の寂れたホテル四月のはじめ。晴れた静かな夕刻。 舞台は、ホールを兼ねただゞつ広い日光室の一隅。——正面、硝子戸を距てて、やゝ遠く別棟の食堂が見え、左手は、庭の芝生へ降りる扉(ドア)。右手、いつぱいに奥へあがる階段——二階は客室である。その階段の降り口から、右へ、玄関へ続く薄暗い別のホール。窓ぎはに、整然と、椅子テーブルが並び、テーブルには、鉢植の草花。室の中
文字遣い
新字旧仮名
初出
「中央公論 第四十七年第五号」1932(昭和7)年5月1日
底本
- 岸田國士全集5
- 岩波書店
- 1991(平成3)年1月9日