ばくまついしんかいこだん 64 だいぶつのまつろのあわれなはなし
幕末維新懐古談 64 大仏の末路のあわれなはなし

冒頭文

佐竹の原に途方もない大きな大仏が出来て、切舞台(きりぶたい)で閻魔の踊りがあるという評判で、見物人が来て見ると、果して雲を突くような大仏が立っている。客はまず好奇心を唆(そそ)られてぞろぞろ這入る。——興業主は思う壺という所です。 大入りの笊の中には一杯で五十人の札(ふだ)が這入っております。十杯で五百人になる。それがとんとんと明いて行くのです。木戸口で木戸番が札を客に渡すと、内裏(うち

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日