ばくまついしんかいこだん 62 さたけのはらはんじょうのはなし |
幕末維新懐古談 62 佐竹の原繁昌のはなし |
冒頭文
下谷(したや)西町(にしまち)で相変らずコツコツと自分の仕事を専念にやっている中に、妙なことで計らず少し突飛(とっぴ)な思い附きで余計な仕事を遊び半分にしたことがあります。これも私の思い出の一つとして記憶にあること故、今日(こんにち)はその事を話しましょう。 その頃(明治十八年の頃)下谷に通称「佐竹原(さたけっぱら)」という大きな原がありました。この原の中へ思い附きで大仏を拵(こしら)え
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 幕末維新懐古談
- 岩波文庫、岩波書店
- 1995(平成7)年1月17日