ばくまついしんかいこだん 60 せいじょうぎょうこうとうじつのはなし
幕末維新懐古談 60 聖上行幸当日のはなし

冒頭文

さて、当日になりました。 午前中に準備に取り掛かる。 濤川惣助氏の無線七宝の花瓶というのは、高サ二尺、胴の差し渡し一尺位で金属の肌(はだ)の上に卵色の無線の七宝が施されたもので、形は壺形(つぼがた)をしている。その鮮麗さは目も覚(さ)めるばかりです。 そうして、私の矮鶏(ちゃぼ)はその右側に置かれました。 大きな硝子箱の中に古代裂(ぎれ)の上に据えた七宝と、

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日