ばくまついしんかいこだん 58 ちゃぼのせいさくにとりかかったこと
幕末維新懐古談 58 矮鶏の製作に取り掛かったこと

冒頭文

かれこれ批評を聞いたり、姿形を研究したりしている間に、一月余りも経ってしまいましたので、いよいよ取り掛かることにしました。 材は桜です。その時分はまだ桜の材で上等のものが沢山あったが現今では甚だ稀(まれ)です。南部の方から出るのが良材であります。まず、雄鶏(おんどり)の方から初めました(木彫りの順序は鑿打ちで形を拵え、鑿と小刀で荒彫り、それから小作り、仕上げとなる)。無駄をしていたわけで

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日