いずみきょうかせんせいのこと
泉鏡花先生のこと

冒頭文

私が泉鏡花先生に初めてお眼にかかったのは、今から三十二、三年前の二十一歳の時でした。丁度、久保猪之吉(いのきち)氏が学会で九州から上京され、駿河台の宿屋に泊っておられ、豊国(とよくに)の描いた日本で最初に鼻茸を手術した人の肖像を写すことを依頼されて、その宿屋に毎日私が通っている時に、鏡花先生御夫妻が遊びに見えられて、お逢いしたのでした。 久保氏夫人よりえさんは、落合直文門下の閨秀(けいし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 書物の王国13 芸術家
  • 国書刊行会
  • 1998(平成10)年10月25日