遠からず酒の小売値段は、いままでの倍額となるらしい。つまり、一升三円であったものが六円ということになるのだろう。 だから、晩酌を二合ずつやった者は、一合にへらさなければ勘定が合わなくなる。私など、それで辛抱するよりほかに致し方がないと観念している。 ところが、私の友人にそんな簡単にあきらめられるものではない、と言うのがいる。自分は酒を飲むのが楽しみで毎日仕事をしているようなもの