さいかちぶち
さいかち淵

冒頭文

八月十三日 さいかち淵(ぶち)なら、ほんたうにおもしろい。 しゅっこだって毎日行く。しゅっこは、舜一(しゅんいち)なんだけれども、みんなはいつでもしゅっこといふ。さういはれても、しゅっこは少しも怒らない。だからみんなは、いつでもしゅっこしゅっこといふ。ぼくは、しゅっことは、いちばん仲がいい。けふもいっしょに、出かけて行った。 ぼくらが、さいかち淵で泳いでゐると、発破(

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第十巻
  • 筑摩書房
  • 1979(昭和54)年9月15日