ばくまついしんかいこだん 53 はぢゃやのちんのはなし
幕末維新懐古談 53 葉茶屋の狆のはなし

冒頭文

さて、鏡縁御欄間の仕事が終りますと、今度は以前より、もっと大役を仰せ附かりました。 これは貴婦人の間の装飾となるのだそうで御座いますが、貴婦人の間のどういう所へ附いたものかその御場所は存じません。何んでも御階段を昇(のぼ)り切ったところに柱があってその装飾として四頭の狆(ちん)を彫れという御命令であった。 これは東京彫工会へ御命令になったので、木彫りで出来るのではなく、鋳金(い

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日